僕はこうして靴を作ることを生業にしているのですが、そういう人たちは自分の肩書きを何と表現しているのでしょうか。
靴作家? 靴職人?
たまに靴作家と表現している人(呼ばれている人)がいますよね。うーむ…これってなんだかシックリこないなぁ。
だったら靴職人?ふむふむ、少しははまってきたかも…でもなんだかなぁ。
よくわからなくなってきたので辞書で意味を調べてみました。
【作家】
芸術作品を製作する人。【職人】
自分の技能によって物を作ることを職業とする人。こうみると、靴作家は絶対にないな。だって靴は芸術作品ではなく日常の道具であるべきだから(自分はそう思う)。
靴のカタチをした芸術作品を作る人がいても良いとは思う。
靴職人は近いかも。でも、なんか堅苦しいですね。それに職人ってなると黙々と靴だけを作ってるような感じがしませんか?ニュアンス的に。
そうすると少し違ってくるような…。
肩書きとか呼ばれ方とかどうでもいいように感じるけれど、意外とそうでもないと思うんです。
【社長】とか【先生】と呼ばれたらそういう風になっちゃうし、【アーティスト】なんて呼ばれたらもう大変(笑)!肩書き、呼び方、呼ばれ方って大切なんです。
だから考える。
履く人とお話して、足を計測して、履く人のことを考えながら求められるベストな靴を自分の技術を使って提供する。
こうやってシンプルに考えていくと【靴屋】でいいんじゃないかなと思う。
靴屋っていうと、どうしても靴を売ってるお店だとイメージしてしまうけれど、それは【靴店】。
もともと靴って一つ一つ手作りだったわけだし、その一つ一つは一人一人に対して作っていたはず。
大きく、格好良く、見せる必要はない。シンプルに捉えた方が本来の姿が見えてくるのだ。
石丸靴工房は何なの?と、問われたら【手作り靴の靴屋です】と答えたい。
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